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4日目
4時半起床。
ツーサを起こして、5時になる前に1階で待つ。
5時過ぎてもなかなかキムが来ない。

「どうしたんだろう」と気になっていた。
朝焼けを見たいのに、もう空は明るくなってきた。

5時20分になってもキムは来ないので、ドライバー、ゲストハウスで働いている人の部屋を見に行った。
中は真っ暗だったが、しょうがなく「キム!!!」と叫んだ。
すると、「ハイ!」とすぐ近くにある蚊帳を張ってあるベッドからカバッとキムが上半身だけ勢いよく起き上がった。
その姿に驚いて笑ってしまった。

「5時半だよ!!何、寝坊してんだよ!!」と言うと
慌てて、支度をはじめるキム。
ソロも寝坊したらしく、ばたばたしていた。

5分後、準備を終えた二人はバイクを用意し出発となった。

太陽は出ていなかったがあたりは随分明るくなっている。

朝焼けまで時間がないのに、キムのバイクのガソリンはなくなっていたのでガソリンスタンドに寄る。
ビックリしたことはカンボジアのバイクのガソリンを入れるところはトランクの中にあった。

思わず「カンボジアのガソリンって安いだろうねえ。」と言うとキムは「いいえ、日本と変わりません」と言っていた。
驚いた。カンボジアの収入は日本より安い。それなのにガソリン代は日本とほぼ同じだとは・・・

ガソリンを5ドル分いれ、出発となった。

そういや昨夜日本人旅行者を迎えに行って今日一緒に行くと聞いていたのだが、
いなかったので「他の日本人はどうしたの?」と聞いたらキムは
「約束 ガ 無クナリマシタ。明日 一緒 デス。」と言っていた。
ドタキャンされたようだ。

シェムリアップからアンコールワット寺院に通じる道の途中にチケット売り場があり入場券を買わなければいけなかった。
1日20ドル、3日間で40ドル、7日間で60ドルと高いのである。
ハオらのは1日券を買った。

そして、アンコールワット寺院へ出発である!
チケット売り場から5分ぐらい、アンコールワット寺院入り口前までたどり着いた。
キムとソロは「ココデ 待ッテイマス」と駐車場らしき場所で待機した。

アンコールワット寺院に続いている橋を渡り、西塔門をくぐって境内に出ると5本のトウモロコシが建つように見える中央祠堂が見えました。
「いよいよアンコールワットに着いた!!」と感無量であった。



西塔門の近くに色んな観光客が集まっていた。
ほとんどの人の手にはカメラを握っていて、太陽が昇るのを待っている。

15分後、アンコールワット寺院の背中から朝日が昇ってきました。

「うぉー!」と観光客からの歓声が聞こえたような気がする。

アンコールワット寺院と朝日のオレンジ色が絶妙にマッチしており、アンコールワット寺院が大変美しく見えました。




20分ぐらい眺めてキムのところに戻った。

そして、バイクに乗ってアンコールトムのバイヨン寺院に向かった。
南大門のところで撮影してから、バイヨン寺院の近くにあるレストランでバイクを停めた。




そこで朝飯を食うことにする。
麺類が食べたくなったので、フォーみたいな牛肉のラーメンを頼むことに。
なかなか美味であった。
カンボジアで気がついたことは、日本と違って牛、豚、鳥、魚の値段が平等であったことだった。


食後、キムが日本の携帯電話に興味を示してきたので見せると大興奮。
テレビが見れたりゲームができるということに驚いていた。


しばらくしてキムは「私達ハ ココデ 待チマス。アナタ達 ハ バイヨン ヲ 見ニ行キナサイ。バイヨン ガ 終ワッタラ ココニ 戻ッテ 来ナサイ。」(なぜ命令語?笑)
と言っていたので、バイヨン寺院まで歩くことにする。
入り口前に警備員が何人かいて、アンコールワットのチケットに穴を開けた。

「宇宙の中心」と呼ばれているバイヨン寺院はインパクトの強い四面の尊顔塔で有名だ。



尊顔塔はアンコールトムの東西南北の門にも見られる。
穏やかな笑みを口元に浮かべている謎めいた観世音菩薩だ。
その尊顔塔は49基も立ち並んでいる。

来るまでは全然無関心だったが、実際見てみると昔の人が作った高い彫刻のレベルを感じた。





バイヨンを一周してから、キムのところに戻る。

キムはハンモックで横になって待っていた。

しばらく休憩してから、タ・プローム遺跡までバイクで移動する。
タ・プロームはキムがガイドで付いてきてくれた。
タ・プロームはモッチが「天空城ラピュタみたいなところだった」と言っていたところだ。
遺構を飲み込む巨大スポアンが有名だ。
樹木の除去作業や修復工事の跡が残されたまま、何本もの巨大なスポアンの根が大蛇のように縦横無尽に遺構に絡みついていた。
キムが言うには昔の人は建物の壁に樹の種を埋め込む習慣があったそうだ。
それが大きくなって、今のように崩壊が進んでいる遺跡になってしまったそうだ。
本当にラピュタの中にいる感じだったので、「バルス!」と天空城ラピュタに出ていたラピュタ語の呪文を唱えたくなった(笑)







途中でキムが「アンパンマン デス。」と笑いながらアンパンマンそっくりの彫刻を紹介してくれた。
本当にそっくりだった。
本当はハスの花のつぼみです。


あと、キムが建物の中で彫刻に指を指してなにらかをつぶやいていた。
解読不能だったので「なんて言ったの?書いて」とミニメモを渡すと書き始めるキム。
そこには平仮名で「おま○こ」と日本語が書かれていた。
大爆笑した。なんでカンボジア人がそんな日本語を知っているんだ(笑)
そうか。バイヨン遺跡も見かけたが、古代の人は性器を崇高する習慣があったそうだ。

タ・プローム遺跡を全部見回ったとき、ソロが待っているところに戻って次の目的地に出発した。
「どこに行くの?」と聞いたら「ア・キーラ」と言っていた。

ア・キーラ地雷博物館まで30分ぐらいだった。
ア・キーラと聞くと日本人?と思うかもしれないが、カンボジア人である。
ハオがア・キーラの存在を知ったのは「密林少年」という漫画だ。
密林少年は深谷 陽が描いた作品であり、ア・キーラの物語である。
内戦下のカンボジアで73年頃に生まれ、両親はポル・ポト政権下でそれぞれ罪に問われ処刑。
本人はその党のもと少年兵として地雷の扱いなど学び、後にベトナム軍により捕虜とされ今度はカンボジア解放軍に立場をかえる。
そうして、否応も選択もなく日々を過ごしてきた少年が、後に今度は地雷除去の活動をはじめ、地雷博物館を作り、それらを知らしめる書物も記すという半生を描いた物語です。


ア・キーラ博物館の前ではいきなり爆撃機の不発弾が何本か置かれてあった。(当たり前だが信管は抜いてある。)
地球の歩き方とか日本で調べた情報ではアンコールワット遺跡の近くに博物館があったが、今は30分先遠いところに引越ししたらしい。
しかも前は入場料は無料だったが、今は1ドルかかる。
(そのお金は地雷駆除のために使っている。)


ア・キーラは不在だったが、博物館の中に今まで掘り出した地雷がいくつか置かれてあったことは驚いた。


しかも、写真の解説が日本語で書かれていたので助かった。

中田選手も尋ねていて、ア・キーラとツーショット写真もあった。


1時間ぐらい見学してから、次の目的地「一ノ瀬泰造の墓」に向かった。


一ノ瀬泰造は邦画で「地雷を踏んだらサヨウナラ」に出ている日本人である。
戦場カメラマンで、ポルポトに殺された。
日本の友人に「うまく撮れたら持って帰ります。うまく地雷を踏んだらサヨウナラ!」と言い残したことがとても有名である。

「TAIZO」と書かれてある看板を見かけ、しばらくは川の土手の上を走った。


途中でバイクを駐車し、土手を下りて小さな橋を渡ると小さな墓石が見えた。



墓石は少し散らかっていたので掃除した。
静かに合唱をし、近くにある小屋でのんびりしていた。

キムが「アナタ ノ 気持チ ガ アレバ 線香 ノ オ金 ヲ 入レテ クダサイ。ソノ オ金 ガ アレバ オ墓 ニ 線香 ヲ アゲラレマス」
ということで、1ドル寄付した。

近くに子供たちが集まってきた。
カメラを見せたり、全員楽しそうに笑いあっていた。


すると一人の東洋人がやってきた。
日本語でしゃべっていたので、「日本人デス」とキムが教えてくれた。
墓で写真を撮ってからさっさと去ってしまった。
少し交流したかったが残念だった。

しばらく休憩してから、バイクの所に戻りアンコールワットに戻った。
その途中にあるレストランでランチを取ることにする。

店員に「なにがオススメあるか?」と聞いたら、「これがオススメ」とかぼちゃのスープに指を指したので
かぼちゃのスープとマンゴジュースを注文することに。

海外はやはり採り立ての果物の搾りジュースはうまいと感じる。
日本と違って安いのが魅力的だ。

かぼちゃのスープは「うまい!」と言ったわけでもなかったが、
非常に飲みやすく、暑いときはもってこいの飲み物だった。


満腹になったところ、キムたちとアンコールワット遺跡に向かった。

今度はアンコールワットの手前にある橋に警備員が何人かいてチケットを確認していた。
朝はなかったので、キムに聞いてみると朝早くと夕方からはチケットなしでも自由に入れるらしい。


アンコールワット1日券に穴を開けて入場する。
カンボジア人はタダみたいで、キムはそのまま入場。

アンコールワットは四角形の堀に囲まれており、全体の大きさは東西で約1.5km、南北で約1.3kmです。
周りの環壕は幅が約190mであり、橋を渡るとアンコールワットの正面である西塔門に到着。

西塔門をくぐり、境内に入ると再びアンコールワット寺院が顔を出した。
いつ見ても美しい・・・


ここからさらに西参道に向かい約350m歩きます。
この途中には両サイドに経蔵と聖池が見えます。


遠くにドンドンという太鼓の音が聞こえた。
キムに聞くと、カンボジア伝統舞踊アプサランダンスが近くでやっているということだった。
どうやらツアーの人に見せるためにアンコールワットでも踊るみたい。

寺院の中央はピラミッド状で、段階的に高くなっています。


一歩間違えると本当に転落する危険な所だった。
昇るのが苦手な人は左側にローブが張ってあったので、ほとんどの白人はそれに登っていた。
キムは「白人 ハ 背 ガ 高イカラ ローブ ヲ 使ウ 人ガ 多イデス」と言っていた。

ローブ側は行列なので、ローブのついていないところを登った。
それにしても階段の段が高いからきつすぎる。



キムはその下でお留守番である。

頂上からそれぞれの回廊を進んでいき、高さが約65mの中央祠堂が見えた。
頂上から眺めた周りの景色は最高だった。
周りは森に囲まれていて、森の真ん中にあるんだと思ったぐらいだった。


あまりにも気持ちよかったので「△Θ□×〜!!」という奇声をあげてしまった(笑)

1時間ほどぶらぶらしてからキムのところに戻ってソロが待っている所に戻った。
途中にキムが「アナタ ハ アプサランダンス ヲ 見タイ デスカ?」と聞かれ、
「アプサランダンス ガ 見レル レストラン ガ アリマス。料理 ヲ 食ベナガラ 踊リ ヲ 見レマス。一人 15ドル グライ デス。」
すごく見たかったのだが、問題はお金がもうすぐ底につきそうだ。
15ドルは払えるのだが、払った後が問題だ。
そう考えて「見たいけどお金がないから諦めるよ」と断った。

駐車場に物売りが多く、子供たちが絵葉書やアクセサリーを『買って買って』と集まってくる。
「アッタラカウディ〜」と言うとほとんどの子供たちは去っていった。
「いらない」というクメール語だ。

すると、ビニール袋に入っているなにらかの液体を飲んでいる子供がいたので、
「ホワッツ?」と指を指すと、子供は近くにある屋台まで連れてもらった。
サトウキビをしぼる機械があって、絞るとジュースとなって出てくる。
早速注文することに。
確か1000リエルだったような気がする。
絞りたてのさとうきびジュースを飲んでみるとめちゃくちゃうまい!
さっぱりしていて暑いときはのどを潤いでくれるのでもってこいのジュースだった。

そして、バイクに乗ってタ・ソムゲストハウスに戻る。
そのとき気がついたのが一点あった。

キムは必ず道路で女性とずれ違うとき必ず顔を見て確認するのだ。
そこまで女性に飢えているんかい・・・と笑うハオでした。

タ・ソムゲストハウスに着き、ベッドで一息してから隣のインターネットカフェに向かった。
昨日、書き込みをした結果を確認すると、妥当だと言う人がほとんどだったので一安心した。
その前にツーサと色々相談したが、日本を出る前にツーサの親が送りに行きたい、迎えに行きたいと言っていたらしいが断ったという話。
今、本当に所持金が少ないので成田空港から電車で帰るよりも親の好意に甘えたらどうかな?と思って、ツーサは親にメールをしてもらったのだ。

店を出ようとしたときにインターネットカフェのドアに1時間3000リエルと書いてあったことに気がつき、
店員にそのことを伝えると慌てて1000リエル返してくれた。やれやれである。

しかし、そのときひどい悪寒を感じた。
多分、今日は色々周ったからTシャツに汗が大量吸い込んでいる。
そんなびしょびしょのTシャツを着たままでインターネットカフェにあったクーラーで体調を崩したのである。
急いでゲストハウスに戻ってシャワーを浴び、別のTシャツを着替えて布団で暖めた。

体調はますます悪くなっていく一方になったので、キムに約束していたビリヤードを断って寝ることにする。
あとでツーサ談によっては部屋にソロが入って、脈を測ってくれたり心配してくれたそうだ。
深く眠っていて気がつかなかったな・・・

夜8時頃目を覚ました。
体調はよくなっていた。

そして、1階に行くとソロがいたので「心配かけてごめん。大丈夫だよ。」と握手して謝った
『キムはどうしたの?』と聞くと『一人で飲みに行った』だそうだ。

近くのスーパーマーケットでカップラーメンとジュースを買って
タ・ソムゲストハウスの1階で食べた。

スコールが降ったらしく、少し涼しい。
カエルもあちこちいてゲロゲロと鳴いていた。

ツーサはハオが寝ている間、一人でカップラーメンを食べているときに
タ・ソムゲストハウスに泊まっている日本人女性と会って色々話をしたそうだ。
しかも、その日本人女性はハオと会ってみたいだそうだ。
ハオも興味があったので明日会えたらいいなと思った。

食後、ベッドにつくなり深く眠った。

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