ツーサも賛同だったので、キムに「ここに泊まりたいので部屋を見せてくれ」と言うとすぐ鍵を持ってきてくれた。
これはクーラーがついている料金だったので、「ノークーラーにしてくれ」と言うと、クーラーのリモコンを没収しただけで二人で4ドルの金額にしてくれた。
まず、アンコール・ワットの1日券20ドル、ベンメリアの入場券5ドル、バイク運賃の往復代3日分×2台でそれぐらいするとキム談。
悩んだ上で、「オーケー」と契約を結ぶことにする。
そして早速トンレサップ湖まで出発することにする。
シェムリアップ街を出て、広い広い地平線が見える郊外に出た。
途中で雲行きが怪しくなってきた。
キムは「スコール ダヨ」と教えてくれた。
「こっちに来るの?」と聞くと「大丈夫。スコール ハ 向コウニ 行クヨ」と言う。
そして、途中にある小さな店で休憩・昼飯を取ることにする。
竹のようなもので作られている建物でハンモックがたくさんつるされていた。
まず、カンボジア料理の鍋を食べたいと言って、キムが勧めるスガオ・トロヨォン・チェイク・チアモォイ・サイッ・モアン(バナナの花と鶏肉入り澄まし汁)を注文することに。
ただ心配なのはカンボジアに行く前にもっちから「カンボジアの鍋は味が薄くて俺には口が合わない。」
と言っていたことだ。
本当に味が薄いかどうか試してやろうじゃないかと思った。
料理が来るまでハンモックでのんびりしていると、突如パーッと滝のようなスコールが襲ってきた。
「なにが大丈夫じゃ〜」と慌てて建物の真ん中のところに避難し、店の人はスコールが入らないように雨よけを作っていたが、風の強いスコールには無意味だった。
雨が入らない所で待機していると、鍋がやってきた。
しゃぶしゃぶみたいな鍋だったが、見た目はおいしそうだった
そして、全員で日本語の「頂きます!」とスガオ・トロヨォン・チェイク・チアモォイ・サイッ・モアンとご飯を食べることに。
口に入れた瞬間、もっちが言っていた「味が薄い」というのは嘘のように感じてしまうぐらいめちゃくちゃ美味だった。
ご飯と一緒に食べれば、おじやみたいな感じだ。
すると、キムが「コレ 食ベテ ゴラン」と皿になにかを入れられた。
これを見てみると、ビックリした。
鳥の足だった。
「食べられるの?」と聞くと「オイシイヨ」と言う。
食べてみると、骨でゴリゴリしている。微妙な食感だ。
満腹な状態で、キムとソロに色々話をした。
まず、妻や彼女がいるかということや、カンボジアについてのことや色々話が盛り上がった。
日本語が話せないソロだったが、日本語が話せるキムがいて助かった。
ちなみにキムは27歳でハオとタメで、ソロは25歳だった。
しばらくして雨がやんできたので出発する。
トンレサップ湖に着くまで危険だった。
雨で土の地面がぬれているので、バイクが滑りやすくなっている。
何度か滑りそうになったことがあった。
ここから30分後、川のそばでバイクを止めて船に乗る。
川はにごっていて汚かったが、水上に家がたくさんあるのが見物だった。
水上に学校や病院まであるのだ。
すると、反対側から観光を終えた白人の観光客とずれ違うとき
なぜか白人がこっちに向かって大声で叫んでいた。
なにを言っているのか分からなかったのでキムに聞くと、「向コウ ニ ワニ ガ
イルト 言ッテイマシタ」と。
ワニがいるのか!?
と楽しみだった。
そのとき目の前にトンレサップ湖が広がった。
トンレサップ湖は海と間違えるぐらい広いと感じた。
そこにも水上に家が複数浮かんでいた。
そのとき少女と少年がボードを漕ぎながらやってきた。
カメラをかまえると、笑顔でビーズしてくる。
「おおっいい顔だ」
とシャッターを切る。
すると、二人は指を一本指してなにかをつぶやいていた。
「もう一枚撮って欲しいのか?」
と思ってカメラをかまえると、笑顔でビーズしてくれた。
撮った後でも同じく指を一本指してなにらかをつぶやいてくるのだ。
おかしいと思い、唇をよく見ると「ワンダラー、ワンダラー」と連呼していたことが分かった。
ひどくガッカリした。
写真を撮るとお金を要求のか・・
「ノー!」と断っても諦めず連呼し続ける二人。
キムに「カメラを撮るとお金を払うことがカンボジアにとっての習慣でしょうか?」
と質問すると「ソンナコトナイ。払ウ必要ナイ。」と教えてくれたので、二人を無視し続けた。
しばらくして、船はトンレサップ湖の真ん中に浮かんでいる休憩場らしき所に着き、そこで降りた。
そこにワニが飼育されていた。
白人が言っていたのはこのワニだろうか。
エサが目の前に置かれていても食べないので、キムに「お腹いっぱいなのかな?」と聞くと
「イイエ、違イマス。ワニ ハ 1ツ ノ 魚 ヲ 食ベルト 1週間 ハ 何 モ 食ベマセン。」
ワニって消化が遅いのか栄養分が蓄えやすい生物なのかと驚くハオでした。
そして、2階の展望台らしきところまで案内された。
トンレサップ湖が360度広がったので最高の景色だった。
ただ残念だったのは当日は曇りだったので、トンレサップ湖から夕日は見れなかった。
キムが「遠ク ニ 木 ガ 見エマスヨネ。雨季ニハ アレガ 沈ミマス。」と言っていたことには驚いた。
30分ぐらい眺めてから、暗くなる前にボードに乗って戻る。
バイクを停めている所にボードが着くと、キムが「モシ、アナタ ノ 気持チ ガ
アレバ オ金 ヲ 少シ 運転手 ニ アゲテクダサイ」と言った。
ようするにチップを払えということだった。
あまり気がすすまない顔をして「いくら?」と聞くと、キムは続けて「1ドル ダケ
デモ イイデス。ソノ オ金 デ 彼 ハ ビール ヲ 一杯 飲メマス。」
なるほど。という気がした。
チップというより、「お疲れ様」とビール代として支払う形か。
それなら全然抵抗という気持ちは感じなかったし、むしろそうさせたい気持ちになったので運転手に1ドル支払った。
そして、タ・ソムゲストハウスに戻った。
あたりは暗くなっていた。
ネオンが街全体をライトアップし、街全体を怪しさの魅力で満たしていました。
タ・ソムゲストハウスに着いたとき、ハオは早速インターネットカフェに行く。
タ・ソムゲストハウスの隣にあった。
1時間1ドルだった。
そのとき、ハオはキムと契約金について高いかどうか妥当かどうかミクシィで質問をした。
あとは明日結果を待つことにしよう。
その日はキムとソロと飲もうという話になったので、近くにあるスーパーマーケットで買い物しに行った。
スーパーマーケットというより、ガソリンスタンドの中にあったコンビニみたいなものだった。
カップラーメンとミネラルウォーターとビール何本か買った。
驚いたのはカップラーメンをレジで買ってからお湯を入れるのではなく、
その場で開封し、お湯を入れてからレジに持っていくことだ。
一緒に近くのコンビニに行き、大量のビールとカップラーメンを買った。
ソロも来たので、1階で一緒に乾杯をすることに。
カンボジアのビール「アンコールビール」はとても飲みやすかった。
アメリカ・ドイツからのホップを使っているらしく、そのホップは日本と比べて辛さがなくまろやかだ。
だから喉越しがいい感じだ。
キムと色々話をした。
ソロは日本語ができないので、キムが通訳してくれる。
そして、ハオはおもいきって聞いてみた。
「プノンペンを見たとき、ハオはポルポトについて意味が分からなくなった。
彼はなにがしたかったんだろう。なぜ無関係者の市民をたくさん殺したんだろう?」
と言うと、キムは酔った顔で
「今 ハ イイ 気分 ナノデ 明日 話シマス。」
と言っていた。
よほど言いたくないだろうか?
これ以上追求することはやめ、ビールを飲んだ。
キムは夜23時ぐらい別の日本人旅行者(ミクシィの人でハオのこと知っている)を迎えに行くそうだ。
「飲酒運転じゃん!」と突っ込むと笑っていたキム。
「カンボジア ハ 大丈夫 デス。」と言う。
日本はヘルメット必要、飲酒運転したら罰金、逮捕などされるよと話すと「厳シイ
デスネ」と驚くキム。
「カンボジア ハ バイク ノ 免許 ハ イリマセン。車 ダケデス。ダカラ 子供
デモ バイク ニ 乗リマス。タダシ、事故 ニ 合ッタラ 子供 ガ 負ケマス。」
と言っていた。
いやあ、カルチャーショックだな。
そういや、カンボジアのバイクって3人乗りや4人乗りの人もいたことは驚いたな。
2杯目のシンガポールで飲んだ「タイガービール」を飲んだが、キムと共に酔いがまわってきたので
半分分けて一気飲みしてから「明日 ハ 5時 ニ 待チ合ワセ デス。」と解散した。
べろべろになっていたので、部屋に戻るなり深い眠りにつくことができた。
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