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6日目
朝6時15分ぐらい起床。
太陽は出ていなく、外は暗かった。

もっちを起こすと、あるものに気がつく。
もっちは寝袋を使っていたのだ。
「あー!!しまった!!俺も使えばよかった!」と思った。
たしかに昨日は寒かったし、ここに来てから一回も寝袋を使っていなかったのだ。
ようするにもっちが使うまで、やせ我慢していたのだ(笑)

6時半ぐらい、義償さんが部屋から出てきた。
「おはようございます」と挨拶を交わし、一緒に久美子ハウスを出る。

外は暗いが、空は少し明るい方だった。

昨日、火葬場を見たところを更に先に行ったところまで歩くと義償さんが言っていた。
火葬場の途中にあるバーゲン通りの前まで歩くと、義償さんが「そろそろ太陽が出るよ」と言っていたので、待ってみることにする。
近くのインド人が、儀式を捧げていた。
「これを毎日やって朝を迎えているんだよ」と義償さんは言う。
なんだかすごく絵になった。
毎日当たり前のように儀式をやって、太陽が人々にエネルギーを送り、そして沈むときは1日の感謝として儀式をやるのだ。
それを毎日やっている。
これがバラナシなのだ。


それに、こんな気温の低い朝早くでも、水浴びをしている人々が大勢いたのだ。
俺がこんな気温に水浴びをしたら心臓麻痺を起こすオチになるだろうと思った。


少しずつ空が赤色になってきて、真っ赤な太陽が頭を出したのだ。
その太陽は不思議だった。
あまり明るくなかったのだが、その景色は一生忘れられないぐらいの景色だった。
こうして1日が始まったということが身に染みて分かった。



そしてハオはその太陽をスケッチした。

すると義償さんがチャイをくれと指を指して、そして指を3本指した。
「いくらですか?」と言うと「おごりだよ」とうれしいことを言ってくれた。
うちらはチャイを飲みながら、太陽をしばらく見続けていた。
チャイを飲みながら朝日を見るのは最高だった。


10分した後、火葬場のところに向かうと、ここでも焼いている最中だった。
義償さんは「24時間やっているんだよ」と言っていたので、「火葬場って1日何人ぐらい焼かれるのだろうか?」と聞くと、「50体ぐらいかな?」と言う。
1日にそんなに焼かれているんだ…と驚きの顔を隠せないハオでした。
計算してみると1日を50体としてそれを1週間だと350体。1ヶ月だと1550体。1年だと18600体は焼かれているわけだ。
しかも、インド人対象として。
そう考えると、毎日死に続けているんだ。とみじめな気持ちになった。

火葬場からちょっと先に歩いたところで、スケッチを開始した。
遺跡に近いものと、昇っている太陽をバックにしてスケッチした。
まあまあの出来だった。
あとは色を塗ればもっといいものができるだろう。
3枚ぐらいスケッチした後、久美子ハウスに戻って色塗りを開始した。

8時15分ぐらい、「朝飯だよ」と義償さんと一緒に3階にあがった。
今日はチャイ、パン、果物ヨーグルト、サラダだった。
その中に果物ヨーグルトがとても美味だった。
マンゴとバナナをヨーグルトでかけているものだ。
それだけはうまかったので、3回もお代わりしてしまった。


食後、義償さんは「これからロリーラさんと用事があるので、絵は僕が帰った後でいいかな?」と言うのでOKする。
その間、もっちとバザールで買い物をすることに決定する。

その前に俺は面白いことを思いついたのでもっちに相談してみる。
「なあ、もっちはパソコン詳しいだろ?昨日、久美子さんがパソコン壊れていると言ったよね?もし、もっちが直せたら宿泊代が無料になってくれるかもよ」
もっちは「直せるか〜?」と言ったが、俺は「もし、直せば久美子ハウスの経済があがり、久美子さんからもっちに感謝されるかもしれないよ!」と言うと「よし、分かった」と言うもっちであった(笑)

早速、1階に降りて久美子さんに「うちはパソコンの会社なので、パソコンの詳しいもっちが見てくれるそうです」と言うと久美子さんは喜んでいたが、「中のハードメモリが壊れているらしいですよ」と言う。
もっちがなにらかのパソコン専門用語を言うと、久美子さんは「私は分からないんですよ。息子が見てくれたので…」と息子を呼んだ。
「息子がいるんだ!」と思って、息子と初対面する。

その息子はインド人の顔に近く美青年だった。
そして、日本語も使えたのである。
名前は「モノーさん」と言う。
現在、大学生で弁護士を目指しているのである。
年齢は俺と同じであって23歳だった。

もっちとモノーさん(なんか名前が似た同士ですね(笑))はパソコン専門用語で話し合っていたが、最後はモノーさんが分からずギブアップした(笑)
結局、パソコンを分解して、中を確認した。
その結果、原因はメモリだと分かった。
「メモリを買いなおせば、直る見込みもある」ともっちは言う。
しかし、モノーさんは「パソコンで新しいの欲しいからなあ」と言ったので、メモリを買い直す気持ちが全然なかった。

-日本からE-mailで宿泊予約をしようとしていb髟へ-
しばらくはパソコンが使えないので、予約するときは手紙を書くか、または直接行くしかない。
空いているかどうかは運に頼るしかないのである!!(笑)

結局直らないままだったので、当然宿泊代はチャラになるわけではなかった(笑)
そして、久美子さんとシャンティさんとモノーさんに写真を撮ってもらうことに承諾してもらったので、よろしくお願いした。


すると、もっちが突然「リコンファームちゃんとできているか不安だよ。他の人に電話をして聞いてみたい」と俺に言う。
もっちの心配性が始まったのである(笑)
俺は「別にかまわないが、自己負担で頼むよ。もし、リコンファームされていなかったら、半分払うよ。」ということで、久美子さんに電話をお願いした。
しかし、「ごめんー!国際電話は使えない」と言っていた。
すると、久美子さんは近くを通りかかったノビーさんを捕まえて、「リコンファーム確認のために、電話してくれない?」とお願いした。
ノビーさんはすぐ「いいですよー」と承諾してくれた。
ノビーさんと一緒に国際電話ができるお店に行き、そこでノビーさんが電話をかけてくれた。
英語ペラペラであった。
そんな姿をして、もっちと俺は感心する。
電話をかけ終わったノビーさんはもっちに「リコンファーム確認されておりましたよ。」と言ったので、安心した顔をするもっち。

そして、久美子ハウスに戻ったとき、ノビーさんの後ろ姿と迷路みたいな通路の組み合わせはすごい絵になるなと思った。
俺は慌てて、カメラを出してシャッターを押した。
いい写真ができた。


部屋に戻って、バザールに行く前に準備をした。
その前に、俺はもっちにそういうことを話した。
「そのままでは、お土産が買えないままになってしまう。今、700ルピーぐらいだからね。それ以上頑張っても無理なので、貸してくれないか?」とお願いした。
もっちは「OK」と言ってくれたので、すごく感謝した。
これでお土産が買えるようになった。

バザールに行く途中、ボードに乗ろうという話にもなって、お互い50Rsでボードに乗る。






ボードに乗るのは中学以来だ。(10年前)
中学生のとき、女友人2人とボードに乗って俺が漕いだが、下手なせいで漕いだ水しぶきが女友人2人を濡らしてしまい、あとでピンダを喰らわれたことを記憶している(笑)
河から眺めた町の景色はとても壮大だった。
6月になれば、雨季で建物の半分まで河の水が増水するそうです。
あちこちに水浴びをしている人々、そして火葬場などを見ることができた。
途中に沈みかけている遺跡があったので、そこの遺跡に指を差して「Why?」とジェスチャーでボードの人に聞いてみた。
すると、ボードの人もジェスチャーで"河の水が増えて、こうなった"と言っていることが分かった。
だということは…昔のガンガー河はもっと低い所にあったのか!?と不思議に思った。
そういや、ガンガー河は本当に珍しいと言われている。
普通の川は山から海の順に流れているのだが、なぜかここだけは海から山まで流れているのだ。
現在、科学者も原因解明に頭をひねっているらしい。
1時間ぐらい漕いで、元の場所に戻った。

そして、迷路みたいな通路でバザールまで歩いた。
今ではほとんど迷路みたいな通路を覚えることができた。
途中に、カバン屋さんがあったので、見てみるとデザインも渋く、アジア風のカバンを見つけた。
欲しくなったので、「How much?」と聞くと、「150Rs」と言ってきた。
交渉開始である。
俺は「No!!」と"安くしてくれ"とお願いする。
そうすると"いくらなら買う?"と電卓を出してきたのだ。
「戦い開始か。面白い!」とハオは150Rsの半分の「70Rs」と言った。
すると、「100Rs」と電卓で打ってきたのだ。
まだまだ値を落とせそうだなと思って、「No!80Rs」と言った。
すると「90Rs」と言ってきた。
この真ん中の「85Rs」と打つと「Ok」と交渉成立した。
212円ぐらいでカバンを手に入れたのだ。
日本で買えば、1500円以上が多いのに…。
100Rsを渡すと、お釣りが返って来た。
しかし、そのお釣りは1Rsコインを多めに返ってきたのだ。
怪しいと思ったハオは細かく、そのお釣りを確認する。
すると、15Rsのはずが10Rsになっている。
「足りねーよ!」と言うと"そんなことない"と言う。
そして俺はお釣りをテーブルに置き、「ワーン、ツー、ツリー、フォー、ファイブ、シックス、セブン、エイト、ナイン、テン。ほら見ろ!」と相手に鋭く指摘する。
相手は"負けたよ"とにやりとした顔で、5Rsを俺に渡した。

5Rsでも日本円では12円ぐらいである。
12円ぽっちで争ってどうすると思う人もいるかもしれないが、俺は値段で争ったわけじゃない。
誤魔化したり、嘘をついたりする人間性が許さないだけだ。
これを許したり、「そんなもんあげるよ」と言えば、その人は調子に乗り、他の人も騙したりするだろう。
自分が甘いと周囲に迷惑をかけるという意味になる。
だから、俺はそうじゃないように「そういう誤魔化しは通じねーよ!」と厳しく指摘したわけである。

カバンを購入後、バザール通りに出た。
もっちがシルクのスカーフを欲しがっていたので、シルク関係を探しに行く。
バザール通りは人が多い上、客引きも多かった。
「No」と言うのも疲れるので、無視したのである。
客引きをまるで空気のように無視し続けた(笑)
シルク屋に行くと、スカーフ関係がないので、他の所に行こうとする。
そうすると、客引きが"シルク?うちの店はシルクだよ!"と名刺を俺に渡してきた。
俺は「俺は買いません。彼に言ってください」ともっちにすすめた。
もっちはその店を確認することに決めたので、ついていくことに。
すぐ近くのシルク店があった。
もっちは店員と値切り交渉していた。
俺は外で待っていたが、シルクの店員が"入れよ!"と言うが俺は「結構です」と断る。
そういや、昨日から盛んに日本語を使うようになったのである。
自分も分からない。相手も分からない。そうするとお互いジェスチャーになるのだ。
こういうのもなんか悪くないなと思った。
もっちが店から出てきた。
どうやら納得できる値段じゃなかったみたいだ。

他の店に行こうとしたとき、アクセサリー屋が手首に巻いているアクセサリーにもっちは目が止まった。
金とやらシルバーやら本物かどうか分からなかったが、「買う」と決めたもっちは交渉を開始した。
この店は正式な店らしく、値切りは一切拒否された。
値切り交渉に断念したもっちはそのままの価格でアクセサリーを買うことにする。

買い終わった後、シルクを探すが、どの店も見つからなかった。
「いい物ないなあ」と言ったときに、ずっとついてきたインド人が"うちの店はいいものがあるよ"と言うので、その店に行く。
そこは3階にあって薄暗くて危険な香りのする店だった。
もっちはものすごい不安になるが、俺は「大丈夫だ。俺がついていってやるからよ」と励まして、その危ない店に行った。
もっちが値切り交渉中、俺はバザール通りを3階から眺めていた。
するとなぜかチャイ屋がやってきて、俺にチャイをゆずった。
無料なのかな?と思って、「Thank you!」と言うと笑顔で去るチャイのおじさん。
ありがたくチャイを飲み、もっちが終わるまで待った。
15分後、もっちは満足した顔で戻ってくる。
「自分が満足できる値段まで値下げしてくれた!」と言う。

怪しい店を出て、「次は何を買う?」と聞いたところ「友人へのお土産としてインド風ふんどしが欲しいね」と言う。
それをもらった友人は最悪だな!と笑った。
服屋さんに「Please india pantsu.」と聞いてみる。
パンツという英語があるかどうか不安だが、聞いてみるとやはり相手は首を傾げていた。
仕方ないから、「Pantsu!Pantsu!」とパンツをはくようなジェスチャーをやってみた。
「Oh!」と半分笑った顔で"あるよ"と見せてくれたが、ブリーフだった。
もっちが「違う!インドのふんどしが欲しい。」 とふんどしのジェスチャーをすると相手に通じたが、"ここにはない"と言う。
これはどうでも良かったが、周囲から注目されて恥ずかしかった。
次の店に行くと、"あるよ"と見せてくれたが、どれも女性のものばかりだった。
「そんなもんはくか!いらん!」と断って、別の店に行く。
すると客引きが"ふんどしを探しているの?あるよ"と声をかけられて、ついていくが、なんともっちが買った同じシルクの店だった。
もっちは「二度行きたくない」と嫌な顔をするので、無視するように別の店に行った。
すると、3件目にインド風ふんどしが見つかった。
もっちは大喜びで買う。

最後に俺は「置物が欲しいなあ」と置物屋を探した。
その置物屋はすぐ見つかり、早速見てみると色々物が置かれてあった。
すると、アーグラで買った大理石の置物と全く同じだった。
「さて、いくらだろう?」と試しに値段を聞いてみる。
「80Rs」
「はぁ!?」と自分の耳を疑った俺は再度聞いてみる。
しかし、それも間違いなく80Rsだったのだ。
1個で80Rsであり、3個で200Rs(店員が値下げ宣言)だった。
つまり、うちは800Rsもぼられたってことになる…(汗)
何度も「うわぁ、最悪だぁ…」と口にしていた。
しばらくショックから立ち直れなかった。
もっちは象の大理石置物を購入した。
俺はお土産として6個買おうとした。
そして値下げ交渉を開始した。
「Please Six!!」と言うと、在庫がなく、別の置物3個ずつ分けたものを出して、「50Rs×3、80Rs×3=390Rs.」と電卓で計算して、一度消して「300Rs」と書いた。
うちは「200Rs」と値下げ交渉した。
相手は"とんでもない!"とした顔になって首を振る。
そこで俺はある案が浮かび、もっちにこれを英語で書いてくれと頼んだ。

「I would like to introduce this store to the friend of Japan and my internet Website. Please make this goods cheap.」

うむ。見事だ!もっち!!
この英文は「私はこの店を日本の友人とインターネットのサイトに紹介したい。だから安くしてくれ」という意味である。
この英文を店員が読むと「Ummmm」と真剣に悩んだ。
そして、「Ok!!」と交渉成立した。
200Rsで安く手に入れたのだ。
俺は「Good job!」と言うと、店員は笑顔で喜んでいた。
そして、店の名刺をもらい、慎重に商品を包み、「Thank you!」と堅い握手をしてくれて、俺は「Good lack!」と言うと、その店員は俺に強く抱きしめてきた。
すごくうれしかったみたいだ。
「やったー!」と喜んで、久美子ハウスに戻ろうとすると、店員が追いかけて、「Service(サービス)」と線香をプレゼントしてくれた。
商品を安くしてくれたし、約束として、俺はこの店の名刺をここに掲載します。


Shar,a Toys Emporium
E-mail:Vinod_Sharma70@yahoo.com
D.15/57,Dashashwamedh Main Road Varanasi,U.P.,India

行くか行かないかはお任せ致しますが、店員は愛想がいいですよ。
置物などを安くしてくれるかもしれません♪(約束は果たしたぞ!店員!!(笑))

買い物をほとんど終えた後、久美子ハウスに戻ろうとして、迷路みたいな通路を歩くと、義償さんとロリーラさんを見かけた。
俺は後ろから「よっ!」と馴れ馴れしく肩を叩き、一緒に久美子ハウスまで歩いた。
部屋で荷物を置いたときに、俺は義償さんの部屋にお邪魔しようとした。
すると義償さんとロリーラさんは会話中だったので、「邪魔かな…?」と思うと、「どうぞ、どうぞ!」と歓迎してくれた。
2人の会話は日本の新幹線について話し合っていたらしく、冗談を言い合っていた。
もっちは部屋にいたので、もっちを呼んで、全員で楽しく会話をした。
途中から俺は朝スケッチした絵の色を塗っていた。
ロリーラさんは「明日、ココヲ 出ルノ?ロリーラ 寂シイ」と泣いたようなジェスチャーをしていた。
「旅を続けている限り、どこかで会えるかもしれませんよ。」と俺はロリーラさんに言った。
すると義償さんは「夕方6時ぐらい、バーゲンの近くに行ってご覧。毎日やっているお祭りが見れるよ。そして、ガンガー河に無数のロウソク流しが見れる」と言っていた。

俺ともっちは18時前にそこに行った。
周囲は暗くなっていて、ガンガー河にいくつかのロウソクが流れていた。
その景色は本当にきれいだった。
インドは灯篭流しのような風習があって、死者の魂を鎮める意味でロウソクを台の上にのせて、河に流していた。
そして、夕方の儀式らしいのもやっていた。
これを毎日やるとはすごい…
沢山の人が集まっており、俺はそれを夢中になって眺めていた。




しかし、ワンパターンのようで、お互いすぐ飽きてしまい「そろそろ久美子ハウスに戻ろうか」ということで戻った。

19時15分ぐらい、部屋に義償さんが「飯だよ」と教えてくれた。
今日は白飯、肉じゃが風煮物、??、??、ウーロン茶だった。(??はお互い何を食事したのか忘れてしまった)
どれも日本の味を思い出すようでおいしかった。

ずっと気になっていたのだが、もう一人のイタリアの男性がいたことで、その男性と話したかったのだが、妙にラリっている感じがしたのであまり話し掛けなかった。

部屋に戻って、もっちと2回戦目の将棋を勝負した。
色んな戦法を試すが…2回戦も敗北!
もっち…強すぎるよ…(汗)

明日も義償さんと朝焼けを見に行く約束がある。
もっちは明日は寝て過ごすということなので、俺と義償さんだけである。
21時ぐらい深い眠りに入った。
今度は寝袋を使ったので、とても暖かく眠れた。

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