第一話「走っている車相手に"挑発"してみよう。」
中学時代、受験のストレスのあまりで「走っている車相手に"挑発"してみよう」という無謀なことを友人K氏とやった。
その挑発というのは…
中指をたてる。
すなわち、英語で言うと「FUCK YOU」です。
いえ、なにも車相手に恨みなんかなかったんです。
誰でも良かったんです。
車が通り去ると、その車に
笑顔満面で「Fuck you!!」「Fuck you!!」「Fuck you!!」
と中指を仲良くK氏と立ててやっていました。
なぜ、そんなことをしたのか今の俺が思っても理由が分かりません。
無性にやりたかっただけでしょう。
だが、ある日、事件が起こった。
ある日、いつも通りK氏が「Fuck you!!」と指を立てました。
そのときはタイミングが外れた俺は中指をたてませんでした。
すると、なんと車が止まりました。
K氏と俺は曇る顔をする。
中から20代半ばのお兄さんが怖い顔で出てきたのである!!
しかも、片手になぜか・・・
モデルガンを握っていました!!
そして、このお兄さんはK氏に向けて、発砲したんです!!
俺はあまりの恐怖でその場に動けなくなった。
「ごめんなさい!ごめんなさい!」と必死に謝るK氏。
そして、勝利の笑顔になったお兄さんは気分よく車に乗って、去っていきました。
あれからでした。
もう二度と「Fuck you」をしなくなったのは。